全身性エリテマトーデス(SLE)は、自己免疫の異常によって全身の多臓器に炎症を起こす病気です。
皮膚、関節、腎臓、心臓、腸管、膀胱、神経系など多くの部位が影響を受ける可能性があり、非常に多彩な症状を示します。
女性に多く、特に20~40歳代での発症が多いのが特徴です。慢性的に経過し、再燃と寛解を繰り返すため、長期的な管理が必要となります。
関節の腫れや痛み
確固たる原因は解明されていませんが、遺伝的素因と環境因子が複雑に関与していると考えられています。
紫外線、感染症、ホルモンの影響(特に女性ホルモン)、薬剤などが発症や増悪の引き金になると報告されています。
血液検査での抗核抗体はほとんどの患者で陽性となり、抗二本鎖DNA抗体、抗Sm抗体など特異性の高い自己抗体も診断に役立ちます。
尿検査で腎障害を確認し、腎生検が行われる場合もあります。
画像検査では中枢神経(脳、脊髄)、心・肺病変、腸管・膀胱病変を評価します。
最新のSLE分類基準(ACR/EULARなど)を用いて総合的に診断します。
副腎皮質ステロイドを急性期のみに用い、免疫抑制薬(ミコフェノール酸モフェチル、シクロホスファミド、アザチオプリン、タクロリムスなど)を併用します。
ほぼ全症例にヒドロキシクロロキンを使用して地固めをするとともに、生物学的製剤(ベリムマブ、アニフロルマブ)も併用しながら副腎皮質ステロイドの休薬を目指します。難治例にも対応可能な時代になっています。
症状や副作用に応じた薬の調整
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