血管炎症候群は自己免疫の機序にて自身の血管が攻撃される膠原病疾患です。大型血管炎、中型血管炎、小型〜微小血管炎に分類され、全身に張り巡らされた血管に不具合が生じ、様々な臓器障害が生じる全身性疾患です。中でも腎臓、心臓、肺、神経領域に臓器障害が生じると生命の危機に及ぶ場合もあるのが特徴です。
皮膚のあざ(紫斑)
全身倦怠感、食思不振
血管炎症候群の確固たる原因は不明とされますが、自己免疫に加え、環境因子(シリカゲルの暴露など)や感染症を契機とした発症などが報告されています。
血管炎症候群は、各々の疾患によって診断方法が異なりますが、全身症状と血液検査での特殊な自己抗体(MPO-ANCA、PR3-ANCAなど)、そして各臓器の生検にて血管の炎症(血管炎所見)を確認し総合的に診断を行います。MRI、CT(PET-CTを含む)も必要に応じて撮像し、臓器の生検が不可能な部位での血管の炎症所見を見抜いていきます。
副腎皮質ステロイドを中心に、免疫抑制剤を併用し血管の炎症を抑えます。現在では他疾患と同様に生物学的製剤やJAK阻害薬などが血管炎症候群にも適応となり、副腎皮質ステロイドを休薬できる時代となりました。
定期的な血液検査による早期診断と病勢評価のチェック
Lifestyle Guidance
定期的な受診と検査を継続する
ストレスをためない生活を心がける